日豪友好協力基本条約40周年レセプションの開催

平成28年10月19日
 10月14日、当館は、豪日基金(豪外務貿易省)との共催により、豪州連邦議事堂グレート・ホールにおいて、標記条約署名40年を祝うレセプションを開催しました。本レセプションには、豪州政府からは、ターンブル首相、マクレーン豪日基金理事長(元駐日大使)、アダムソン外務次官を始めとした豪州政府関係者、野党党首代理のブロッドマン連邦議員、当館からは草賀大使夫妻他が出席するとともに、様々な分野で活躍している日豪交流関係者、豪州国立大学関係者等からなる約200名の出席者は、世界的に活躍している日本人ピアニストの辻井伸行氏による演奏に熱心に耳をかたむけるとともに40周年を祝い、盛況に行事が行われました。
 
 草賀大使はスピーチの中で、大変多忙なスケジュールの中で行事に出席頂いたターンブル首相とともに40周年を共に祝うことが出来ることは大変喜ばしい旨述べるとともに、日本は、豪州にとり3番目に大きい貿易パートナーである上に投資も増加し続けている、日豪友好協力基本条約からの自然な歩みとしての日豪経済連携協定は、日豪両国の市場に実質的な利益をもたらしている、現在、より多くの人々が相手国で生活するようになっているが、同条約の直接の成果として合意したワーキング・ホリデー制度は、日豪両国の若者がお互いの文化や生活習慣をより理解するための機会を提供している旨述べました。さらに、日豪両国は、過去40年間に両国間で成し遂げたことを大いに誇るべきであり、
本条約署名後の40年間の二国間関係の業績は、両国の関係がいかに発展し、相互信頼と尊敬を基盤とする世界でも最も成功した二国間関係の一つであるかを示しており、同条約は、両国政府が40年前に共有し今なお衰えることにない前向きさを示している旨述べました。(大使スピーチテキスト(英文)
 
 これに対しターンブル首相は、本条約は、当時の豪州政府が他国に先駆けて日本との間で初めて結んだ、特別な政治的先見性を示したものであり、当時、豪州は、日本で消費される原材料の40~45%を供給する一方、日本は重工業の発展により、豪州における工業製品の主要供給国になるという時代があり、過去40年間に亘り両国民が享受し、かつ築き上げてきた、濃密なかつ途絶えることのない関係無しに、今日の豪州と日本は無かったと言っても過言ではない旨述べました。さらに、ターンブル首相は、先月、ラオスにおける東アジアサミットの際に安倍首相との間で、特別な戦略的パートナーシップを再確認し、地域の平和と安定を強化することの重要性について強調した旨述べると共に、我々両国は、過去40年間に亘り我々の地域が享受してきた繁栄の基礎をもたらした法の支配、国際的な秩序及び安定への継続的な維持に対して深く関与している、両国は、この地域における法の支配及び国際秩序の維持について可能な限り強く主張するパートナーで有り続ける旨を述べました。また、同首相は、日豪経済連携協定(JAEPA)に言及し、同協定は、我々とこれまでの繁栄と同様にこれからも有望な日本との関係について述べる理由の一つでもあり、日本がこれまで署名した協定の中で最も自由な二国間の貿易協定である旨述べるとともに、安倍総理と同首相は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)及びRCEPに係る交渉の継続に関しコミットメントを繰り返している旨述べました。同首相はスピーチの最後に、同条約を通じたより深い友情の足跡を刻んだ我々の過去の指導者の先見性及び知恵に敬意を表するとともに、この数年先に我々が共に歩む道に刺激的な新たな方向性が作られること、さらに、それを見ることを楽しみにしている旨述べました。(ターンブル首相スピーチテキスト(英文)
 
 このレセプションにおいて辻井氏は、50分間にわたり、ショパン、ラベル、ドビッシーの曲(全8曲)及びアンコールとして同氏が東日本大震災後に作曲した「それでも、生きてゆく」を演奏しました。演奏を終えた辻井伸行氏は、インタビューにおいて、このような素晴らしい行事に演奏できて、日本とオーストラリアの友好関係がまたさらに深まることを期待する旨述べました。
 

スピーチを行う大使
 

スピーチを行うターンブル首相
 

(左から)大使、ターンブル首相、辻井伸行氏、
ブロッズマン議員(野党党首代理)、マクレーン豪日基金理事長
 

演奏時に挨拶する辻井氏

 
               大使と辻井氏
在豪日系プレス各社による大使インタビュー
 

セレモニー・演奏会場

演奏後のドリンク・レセプション