平成28年秋の叙勲について
平成28年11月7日
日本国政府は、11月3日(火)に平成28年秋の叙勲受章者を発表し、当館管内では以下の方が受章となりました。
スウェン博江(Hiroe Swen) 氏
陶芸家
勲章名: 旭日双光章
功績: 日本文化普及功労
同氏の功績については、以下のとおりです。
【功績概要】
1 日本の女性陶芸家のパイオニア
1957年より6年間陶芸の巨匠林平八郎氏(光風会会員)のもとで陶芸の指導を受けた。男性ばかりが主体となっていた当時の日本の陶芸界に於いて、女流陶芸家(光風会会員、当時は旧姓武部博江)のパイオニアとして修行に励み、後進、特に陶芸を志す女性に大きな影響を与えた。
2 国籍の壁を越えた陶芸家としての功績
グラフィックデザイナーのコーネル・スウェン氏との婚姻により1966年来豪したスウェン博江女史は、以来日本人陶芸家として活躍を続け、その作品は、豪州国立美術館(2015年現在スウェン博江女史の作品を48点収蔵・展示)をはじめ、豪州国内各地の主要美術館に同氏の作品が収蔵されているばかりか、外務貿易省、国会議事堂、最高裁判所、豪州在外公館(ワシントン、東京、ニュー・デリー)、豪州国立大学、キャンベラ大学、オークランド博物館にも作品が展示されている。
3 教育者としての功績
(1)スウェン女史は、1971年から1973年までキャンベラ工芸大学(豪州国立大学美術学校の前身)にて非常勤講師として陶芸を教え、その後1980年から1999年に退職するまで正規講師として豪州国立大学美術学校で教鞭をとり、陶芸の指導にあたった。退職後は名誉教授としてさらに約5年務め、通算27年7ヵ月にわたる同女史の陶芸指導は、豪州国立大学美術学校陶芸部をオーストラリアを代表する陶芸部にまで発展させ多くの後進の育成に努めた。
(2)スウェン女史は毎年、豪州国立大学美術学校陶芸部卒業生の最優秀者に「Hiroe and Cornell Award賞」を提供することとし、女史自らがその受賞者を選出しているが、このスウェン・ヒロエ賞の受賞は豪州, 特にキャンベラで陶芸を学ぶ学生の大きな励みともなっている。
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