鈴木大使の挨拶

令和7年1月1日

目次

鈴木大使の新年挨拶(2026年1月)

 

 
明けましておめでとうございます。新しい年を迎えるにあたり、日頃より日豪関係の発展に向けて多大なるご理解とご協力を賜っている皆様に、改めて心より御礼申し上げます。
 
 はじめに、昨年末、シドニーにおいて悲惨なテロ事件が発生し、多くの尊い人命が失われたことに、心よりお悔やみ申し上げます。私は、豪州の皆様が固い結束によりこの悲惨な出来事を乗り越えていくことを確信しています。また、在留邦人の皆様の安全確保は在外公館の最重要任務であり、関係当局と連携しつつ、皆様が安心して安全な生活を送ることができるよう、全力を尽くしてまいります。
 
昨年は、戦後80年という歴史的な節目の年であり、私自身、日本とオーストラリアが歩んできた和解と協力の道を改めて見つめ直す一年となりました。両国が長い時間をかけて築いてきた信頼の土台は、現在の緊密な関係の礎であり、その価値を再認識する機会が多くありました。
 
 中でも心に残ったのは、8月、終戦の日に合わせて初めてトレス海峡の木曜島を訪問したことです。同島には、かつて真珠産業の潜水夫として命懸けで海に潜り、地域社会の発展に寄与した多くの日本人が眠っています。異国の地で努力を重ねた先人達の墓前に手を合わせ、日豪両国の間に築かれてきた歴史的・人間的な絆の深さを強く実感しました。この絆こそが、現在の友好的かつ建設的な関係につながっているのだと改めて感じた次第です。
 
 また、9月3日には、大阪・関西万博におけるオーストラリア・デーに合わせて訪日されたモスティン豪州連邦総督に同行いたしました。万博会場式典での総督の日本国民への温かいメッセージや、イベントに参加された多くの来場者の熱気に触れ、文化・観光・経済など多方面で日豪関係が勢いを増していることを実感しました。万博開催期間中のオーストラリア・パビリオンへの来場者数は300万人を超えた由ですが、日本国内における豪州への関心の高まりを示す成果を得られたと考えます。
 
 昨年は安全保障・防衛分野でも大きな前進がありました。特に、8月に日本の「もがみ型」護衛艦の能力向上型が、豪海軍の次期汎用フリゲートとして選定されたことが日豪両国においてのみならず、国際的にも大きな注目を集めました。その後9月に開催された第12回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)では、日本にとって「特別な戦略的パートナー」である豪州との協力関係を、これまで以上に高い次元へ引き上げる大きな一歩となったことが確認されました。
 
 本年は、日豪友好協力基本条約(NARA条約)の調印から50年という記念すべき節目を迎えます。この50年間、両国は政治・経済・文化などあらゆる分野で協力と交流の幅と深みを増してきました。これからの新たな50年を見据えて、私たちの先人達が築き上げた日豪の絆を更に太いものにしていければと考えます。そして、現在、その可能性は、両国政府間は勿論のこと、経済分野では、これまでの基盤を成してきた資源エネルギーや農業に加え、流通、インフラ、先端技術等、人的往来の分野では、知的・学術交流、姉妹都市等の草の根レベルの交流等、あらゆる分野で拡大が見られています。
 
 本年、NARA条約50周年という好機を生かし、日豪関係をより深く、より強固なものとすべく、大使館としても館員一丸となって全力で取り組んでまいります。新たな半世紀にふさわしい日豪関係を切り開いていくため、皆様のお力添えをこれまで以上にお願い申し上げます。

鈴木大使の新年挨拶(2025年1月)

 

明けましておめでとうございます。令和7年を迎え、新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は、日本が豪州でいかに好意をもって受け入れられているかを如実に感じることが出来た一年でした。4年連続で日本が主要国の中で最も高い信頼を得ているとの当国ローウィー研究所の世論調査結果、世界一の人口当たりの日本語学習者数、訪日豪州人数の多さなどデータで表される対日好感度の高さを、豪州与野党の幅広い政治レベルからも、また訪問した各地における幅広い方々からも、肌身で体感しました。

昨年10月、就任後間もない石破総理とアルバニージー首相との首脳会談がG7各国首脳との二国間会談に先駆けて実現したことは、「特別な戦略的パートナー」である現在の日豪関係の重要性を端的に示したものでした。

安全保障・防衛分野では、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、重層的な同盟国・同志国連携が益々重要となる中、日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)や日米豪防衛相会談、更には日米豪比防衛相会談等を通じ、この分野での日豪協力を一層強化できました。本年も様々な機会を最大限活用しながら、運用協力、共同訓練・演習のレベル向上、防衛装備協力やAUKUSの第2の柱の下での先進能力の協力など、幅広い分野における協力を更に積極的に進めていく考えです。

「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す日米豪印の枠組みにおいても、海洋安全保障、重要・新興技術、サイバー等幅広い分野で地域に具体的利益をもたらす協力の推進を図ります。

経済的な日豪の結び付きの強さについても日々実感しています。昨年10月、名古屋での日豪経済合同会議には、558名もの両国ビジネスリーダーが参加しました。19年前の名古屋会合の参加者は209名と聞いており、この間の日豪経済関係の飛躍的発展が分かります。今年の同会議は、資源・エネルギー、防衛産業等の分野における協力にも注目が集まる西豪州パースにて開催されます。多くのビジネスリーダーの参加を通じ、両国の経済関係が一層強化される契機となるよう、大使館としても支援していく考えです。

日豪間のビジネス・チャンスは、従来の資源・エネルギー分野に加え、金融サービス、小売り、運輸、不動産、住宅、宇宙などの多様な分野に広がり続けています。昨年10月、日本大使館は不動産・住宅関連企業等向けセミナーを主催しましたが、豪州で住宅不足や都市開発が課題となる中、日本の経験や技術に対する期待は大きく、強い手応えを感じました。引き続き様々な分野で日本の投資・技術と豪州のポテンシャルが融合することで、日豪経済関係が更に発展していくよう、一層努力していきます。豪州が日本から更なる投資を呼び込むには、規制の運用を含めた事業環境の透明性、予見可能性と、政府からの支援が不可欠です。こうした問題意識を引き続き連邦政府、州政府等、豪州のステークホルダーにしっかりと伝えていきます。

本年は、戦後80周年の節目の年です。昨年、カウラ市民を中心とした多くの方の献身的活動で大成功を収めたカウラ・ブレイクアウト(日本人捕虜集団脱走事件)80周年に続き、日豪の友情と信頼が築かれた戦後和解の道のりを改めて確認した上で、次世代にしっかりと引き継がれるよう人的交流や広報活動に注力していきます。

最後に、本年4月、いよいよ大阪・関西万博が開幕します。豪州も非常に強い熱意を持ってパビリオン出展などに取り組んでいただいています。万博を経済・ビジネス協力や人的交流を一層強化する機会とすべく、大使館としても豪州政府と連携していきますので、皆様にも是非、万博を訪れていただき、また、豪州パビリオンも体験いただきたいと考えています。

日豪関係の強化のため、皆様からのご示唆やご助言を賜りつつ、引き続き日本大使館一丸となって取り組んでいきます。本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

鈴木大使の新年挨拶(2024年1月)

新年明けましておめでとうございます。昨年5月に駐豪日本国大使として着任し8か月が経ちました。豪州で初めての元旦を迎え、日豪関係の発展に向け気持ちを新たにしているところです。
 
昨年5月、G7サミットに参加したアルバニージー首相は、この機会に日米豪印首脳会合を主催しましたが、急転直下開催が決まったものであったにもかかわらず、日豪両国の緊密な協力で実現した会合は大きな成果を残しました。安全保障分野では、日豪円滑化協定の発効を受け、同協定を初適用して航空自衛隊F-35Aが豪州に飛来しました(共に8月)。その際は私自身もダーウィンまで赴いて同機をティンダル空軍基地で感慨深く出迎え、日豪協力の着実な進展を実感しました。こうした安全保障・防衛協力の進展は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けても重要です。
 
メルボルンで開催された日豪経済合同委員会会議(10月)は、両国ビジネス界から合わせて730名近くが参加し、大変な盛況ぶりでした。そこで伺った更なる経済関係の発展を見据えた日豪ビジネス界の様々なご意見を今後の取組に活かしていきたいと考えています。また、ニューサウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズランド各州及び北部準州を公式訪問したほか、アデレード、パースも訪ねて、豪州の広大さ、日豪の未来に広がる関係発展の巨大なポテンシャルを肌で感じています。伝統的な資源分野に加えて、水素・アンモニアや重要鉱物、インフラ、宇宙・科学技術の分野など、新たなフロンティアにおける協力を一層推進していきたい、またポスト・コロナの人的交流や文化交流においても、日豪間の双方向で訪問者を増やしたいと考えています。
 
日豪関係の礎は、常に両国間の市民レベルでの相互の理解と尊重、友情にあると思います。各地への訪問において様々な分野で活躍されている在留邦人の方々ともお会いする機会に恵まれました。約9万5,000人の在留邦人のお一人おひとりがその礎を支えていらっしゃることをしっかりと念頭に置き、領事サービスの提供も継続していきます。

今日、ウクライナ情勢や中東情勢が国際秩序の根幹を揺るがす中で、日豪は緊密に連携して取り組むべき共通の課題を抱えています。日豪関係の強化のため、皆さまからのご示唆やご助言を賜りつつ、引き続き日本大使館一丸となって努力していきます。本年も変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。

鈴木大使着任挨拶(2023年5月)

  この度、駐オーストラリア日本国大使として着任しました鈴木量博(すずき かずひろ)です。

 日本と豪州は、基本的価値と戦略的利益を共有する「特別な戦略的パートナー」です。日本にとって重要なパートナーである豪州に赴任し、両国関係の強化にたずさわる機会を得られたことを大変光栄に感じています。私の着任直後から、日豪関係の裾野を広げる機会が目白押しです。今月、岸田総理はG7広島サミットにアルバニージー豪首相を招待しています。さらに、豪州主催の日米豪印首脳会合のため、岸田総理が豪州を訪問される予定です。

 両国の協力は、インド太平洋地域にとっても重要性を増しています。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、太平洋島嶼国に対する支援を含め、連携を強化して参ります。

 また、石炭や天然ガスなど伝統的な資源分野での安定的関係の維持は極めて重要であり、尽力していきたいと考えています。さらに、脱炭素社会の実現に向けた水素・アンモニアや重要鉱物などの分野、西シドニー開発などのインフラ分野、宇宙・科学技術の分野など、両国の協力は新たなフロンティアへ広がっています。

 日豪関係の礎は常に両国間の市民レベルでの相互の理解と尊重、友情にあると考えています。豪州には、世界で3番目に多い約9万5,000人の在留邦人の方々がおられ、様々な分野で活躍されています。また、コロナ規制が解除され、日豪間の人の往来が再開し、本格化していることも追い風です。

 様々な分野における日豪友好関係を一層揺るぎないものとするため、皆様からのご示唆やご助言を賜りつつ、私自身、そして日本大使館全体として全力で努力していく考えです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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